近年、医療・介護現場におけるカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)が深刻化しています。東京都では令和7年4月より「カスタマー・ハラスメント防止条例」が施行されましたが、訪問看護師が被害に遭う事件も発生しており、対策は急務です。
訪問看護師は患者様の苦痛を理解しようとするあまり、暴言や暴力を「病気のせいだから」と個人の忍耐で処理してしまいがちです。しかし、「スタッフの安全を守ることが、結果として患者さんへの安全で質の高い医療提供につながる」という考えのもと、当協会では組織的な対策を支援します。
当協会および対策マニュアルでは、以下の4つを基本方針として掲げています。
現場任せにせず、統一的な対応方法を定めます。一人で抱え込ませず、必ず複数名で対応する体制を作ります。
患者様の権利は尊重しますが、暴力は許されません。身の危険を感じたら、会話の途中でもその場から「逃げる」ことを最優先します。
医療的ケアのアプローチは行いますが、職員の安全が脅かされる場合は、病状の有無にかかわらず安全確保を優先します。
悪質な場合は躊躇なく警察や弁護士と連携します。医療機関からの通報は国が認める正当な対応です。
要求内容の妥当性に照らして、手段・態様が社会通念上不相当なものをカスハラと定義します。具体的には以下の「10の分類」に基づき判断します。
| 分類 | 具体的な行為例 |
|---|---|
| ①不合理な要求型 | キャンセル料の不当な免除要求、契約外の家事代行強要など |
| ②時間拘束型 | 訪問看護に関係のない長電話、長時間の居座り・引き止め |
| ③リピート型 | 執拗な夜間オンコール、理不尽なクレームの繰り返し |
| ④暴言型 | 「バカ」「給料泥棒」などの人格否定、大声で怒鳴る |
| ⑤暴力型 | 殴る、蹴る、物を投げる、唾を吐く、機器を破壊する |
| ⑥威嚇・脅迫型 | 「殺すぞ」「ネットに晒すぞ」等の脅し、机を叩く |
| ⑦権威型 | 「〇〇の知り合いだ」と誇示する、土下座の強要 |
| ⑧外拘束型 | 喫茶店などサービス提供場所以外への不当な呼び出し |
| ⑨SNS・誹謗中傷型 | 無断撮影・SNS投稿、実名でのネットへの書き込み |
| ⑩セクハラ型 | 必要のない身体接触、性的な冗談、執拗な食事の誘い |
東京都の共通マニュアルを踏まえ、訪問看護の現場に特化した対応策、判断基準、組織体制の整備についてまとめた決定版です。
収録内容:判断マトリクス / 行為別対応トーク / 警察通報基準 / 相談窓口設置フロー など
※会員・非会員問わず無料でダウンロードいただけます。
※現場への導入については協会の無料相談をご利用ください。
貴事業所の対策状況をチェックしてみましょう。以下の項目にいくつ「はい」がありますか?
チェックがつかない項目がある場合は、ぜひマニュアルを活用して体制整備を進めてください。
オンライン診断ツールを利用する
「職員が安心して声を上げられる文化」と「組織が職員を守り抜く姿勢」を構築するための実践的な研修です。